2024年の4月に熊本県小国町の杖立温泉にある源泉かけ流しの温泉に入れる温泉旅館の旅館白水荘に宿泊してきました。1872(明治5年)に創業の150年以上の歴史がある旅館で同じ杖立温泉にある泉屋という旅館の分家として営業をはじめ白水荘という名前になってからも70年くらいたっているそうです。独特の雰囲気の温泉街の中にあり歴史がある建物をリノベーションされています。
この日は熊本、福岡への2泊3日の旅行の2日目でした。熊本ではカーシェアで車を借りて3ヶ所の日帰り温泉施設で温泉に入ったり豆腐料理のお店で昼食を頂いてからこちらの杖立温泉に来ました。旅行全体についてはこちらの記事にて。 続きを見る
LCCで行く福岡~熊本へ。温泉とお食事のドライブ旅。2024年4月
杖立温泉は渓谷の間を流れる杖立川沿いに多くの旅館や温泉施設がある温泉地です。温泉街の色々な場所から湯けむりが上がる風景は幻想的な雰囲気もあって素晴らしかったです。1800年以上の歴史がある温泉地と言われていて杖立温泉という名前は弘法大使がこの地の温泉に入った時に持っていた竹の杖を立てたところ杖から枝や葉っぱが生えてきた事が由来という説(他の説もあるようです)があるそうです。温泉地あるあるである弘法大師が由来しているの温泉名ですね。
熊本県の北側の方で大分県との県境に位置していて、温泉街の大分県側の方には敷地が熊本県と大分県の両方にまたがっている温泉宿もあります。今回僕はカーシェアの車を借りて運転していきましたが博多駅、福岡空港から直通のバスが出ていたり熊本駅、阿蘇くまもと空港方面からも途中でバスを乗り継いで来ることができます。(2024年現在)
4月頭からゴールデンウィークまでの間の杖立温泉では鯉のぼり祭りを開催していて渓谷の間を流れる杖立川の上に3000匹以上の鯉のぼりが飾られていました。この川の上空に鯉のぼりを飾るのは1963年にスタートして全国の同じような鯉のぼり祭りの発祥と言われているそうです。熊本でどこの温泉行こうかなと探していた時に丁度鯉のぼり祭りの時期だったので杖立温泉行ってみようと思い今回宿泊させてもらいました。
国道から温泉街に続く道が温泉街の中を通っているメインの道路になっていて旅館白水荘の駐車場はその道沿いにありました。宿は車では入れない道沿いにあるので駐車場どこにあるんだろと思いGoogleマップのストリートビューで確認しておきました。
この道沿いにバス停があったのでバスで来た場合もここまで歩いてすぐだと思います。
建物の1階部分が駐車場になっている造りで屋根があるので雨が降っていた時に到着したのですが荷物の出し入れなどもしやすかったです。駐車場の枠がそこまで広くなかったり柱があったりするので他に車が停まってる時は注意した方が良いと思います。
屋根付きの駐車場の道の反対側には屋根が無い駐車場も1台分ありました。宿にはここが一番近いようです(そんなに変わりませんけど)
写真で黒い車が停まってるのが外の駐車場です。
宿に向かうには外の方の駐車場の横にある階段を降りてい行きます。
建物の間の細い階段の路地を降りていきます。この路地は背戸屋(せどや)と呼ばれていて渓谷の斜面に建っている多くの建物の勝手口を結ぶ迷路のような道になっています。細い道で上下のアップダウンもあり複雑に張り巡らされたこの道、他ではなかなかないような独特の雰囲気でとても良かったです。天気が良くなかったので殆ど探索はできなかったのですが背戸屋を歩いて行くと見どころが沢山ありそうだったのでまた他の機会にも来てみたいと思いました。
背戸屋を降りていくと途中で薬師堂があり、その建物の下の階は薬師湯という共同浴場になっていました。その横の道を通っていきます。
旅館白水荘の建物がこちらです。斜面にそって立っている細長い建物で奥の方に長くなっています。
玄関はこの側面にあります。
こちらが入り口の扉です。隣の建物との高さの違いから急な斜面沿いに建っていることがわかります。
建物に沿ってさらに階段を降りていくと少し広くなっている場所があります。右側に写っている建物が旅館白水荘で1階に見える場所が先ほどの玄関の階から1つ下の階で食堂になっています。
さらに建物に沿って階段を降りていくと杖立川沿いに着きます。この先を川沿いに進むとには元湯という半露天の共同浴場もありました。
階段の下の方から見た風景で真ん中らへんに写っているのが旅館白水荘の建物です。
1階の入り口から中に入ると細長い玄関になってます。玄関周りはリノベーションされていて和風のモダンな雰囲気になっていました。真ん中にはハシゴがありますが今は使われていなくて小物が飾られていました。
通路沿いに細長い玄関の一番奥から靴を脱いで上った所にフロントがありチェックインをしていただきました。
客室は1階と階と2階にあり、今回宿泊した部屋は2階でした。2階へは階段で登ります。(ネットで記事などを見ると2階が玄関で2、3階が客室というのも見かけましたが館内図が地下、1階が玄関の表示だったのでその階数で書いています。)
階段を登った所から奥の方にも部屋がありました。
今回宿泊したお部屋先ほどの写真と反対方向の場所です。さらに奥に行くと玄関がある階との吹き抜けもありました。先ほどの廊下とは逆方向の位置にありました。
和風のお部屋で歴史を感じる造りのお部屋でした。100年位に建てられた建物との事なのでその頃から変わっていない個所もあるのかもしれません。
8畳のお部屋で広々としています。布団は折りたたんで部屋に用意されていました。
廊下からの入り口から部屋の襖の間にはスリッパを脱ぐスペースもありました。
テレビや冷蔵庫もあります。冷蔵庫は空のタイプですが館内に自動販売機があるので自販機でドリンクを買ってきて冷やしておくと温泉から出て飲むのが最高でした。エアコンもあるので夏場なども快適に過ごせそうです。
扉を開けると金庫が入っていました。アメニティ類を希望する場合はアメニティ付きのプランで予約するようになっていました。僕は旅行の際は寝巻やタオル、歯磨き、髭剃りなどいつも持っていくのでアメニティは無しのプランで予約しました荷物を多く持たずに泊まりたい場合などはアメニティ類がセットになってるプランで予約できます(500円くらいの価格差でした)
奥の方には広縁があります。部屋と広縁の境の壁の上の方には飾り窓のようなとこもあってとても良いですね。
広縁は上面が透明で下の方がすりガラスの大きな窓があり光が入ってきて心地いいです。椅子や小さめの衣桁が置いてありました。
窓からは杖立川も見えました。今回宿泊した部屋は窓の目の前は他の建物があったので斜め方面に少し見えるくらいでしたが部屋によってはもっと川が見えるようです。
広縁には洗面台や鏡もあります。リノベーションをしてある玄関や食堂などと比べると今回宿泊した部屋は昔からの部分が多く残っているように感じましたが、これはこれで好みです。
お茶とお茶請けのお菓子も用意されていました。
布団は好きなタイミングで広げてセッティングします。寝心地の良い布団で快適でした。
トイレは部屋には無く共用のものを使用します。
廊下に灰皿が用意されていて客室では喫煙可能のようです。(僕が泊まった時は部屋では特にタバコの臭い等は感じませんでした)内線の奥にある黒い電話機はちょっと懐かしく感じて好みです。
温泉の大浴場は別の建物にあるので玄関や客室があるメインの建物から一旦外にでます(この写真の扉から外に出ました。)
すぐ向かいにある建物が温泉のある建物です。建物の間は屋根は無いですがマットが敷いてあって館内のスリッパのままで移動できました。ネットで色々検索してると以前は野外に門のような扉もあってそこに湯殿 白瀬という看板も付いていたようですが僕が行った時には門自体がありませんでした。
建物に入ると内装が新しい感じでとても雰囲気がよくと好みでした。男女別の入り口の前のスペースには待ち合わせができそうな椅子などがあります。左に置いてあるのはベビーベッドでしょうか。
入浴時間はチェックインの15:00から翌朝9:30まで好きな時間に入れます。男女の浴室の入れ替えはありません。
脱衣所も広々としています。ロッカーは無く棚だけのシンプルなタイプでした。
大きな鏡が付いた洗面台もありました。
脱衣所から浴室に入ると立派な造りで雰囲気が良くてテンションが上がりました。
浴槽のサイズは大き目で7~8人くらいも余裕で入れそうに思います。
深さがある浴槽で肩まで楽に浸かれます。無色透明のお湯で温泉らしい香り(硫黄の香りではないタイプの)がして源泉はちょっと塩味がしました。温泉に浸かるとかなり気持ちが良いお湯でテンション上がりまくりました。とても好みでめちゃ良いお湯だなと思いました。
壁際の岩の間から源泉が投入されています。源泉の温度が高いため夏に10%冬は5%の水で温度の調整をしているそうです。浴槽のお湯の温度は少し熱めの丁度良い気持ち良さの温度に感じました。
源泉の投入された分だけ浴槽の淵から溢れていく源泉かけ流しです。浴槽のお湯は源泉が投入されることで徐々に入れ替わって行き3~4時間で新しいお湯になっているそうです。
壁や照明、窓や脱衣所の扉などそれぞれのデザインもとても良いですね。
大きな窓ガラスがあって程良く光が入ってくるのも落ち着きます。ネットなどの情報だと昔は外に露天風呂もあったようですが今は無かったです。内湯のお湯がとても良かったので露天風呂が無くても全然良いですが。
蒸し風呂は休止中になっていました。蒸し風呂は温泉の蒸気を利用したサウナみたいな感じのものみたいで杖立温泉の名物でもあるようです。
窓際に洗い場が5か所設置されてました。
洗い場はシンプルにお湯と水の蛇口のみです。シャンプーとボディーソープは設置されています。
泉質はナトリウムー塩化物温泉(低張性 アルカリ性 高温泉)。源泉は75.7度と高温です。
温泉も自噴で水も湧水でシャワーが設置できないそうです。水圧が安定しないとかなんでしょうかね?
大浴場の他に家族風呂もあるそうですが新型コロナウイルス流行のタイミングからお休みになってるそうです。館内図を見ると家族湯は地下階の離れ(?)にあるようです。HPなどで見ると窓から杖立川が見えるようなのでお休み中でなければ家族風呂も入ってみたかったです。
朝食は食堂で頂きます。食堂は玄関をフロントと反対側に進んでいきます。
階段を降りていくと踊り場に自動販売機があります。自販機ではペットボトルのジュースや炭酸飲料、コーヒーの他にビールやハイボールなどのアルコール類も販売されていました。その隣では販売されているTシャツが展示されてました。
踊り場からさらに階段を降りると左側に食堂の客席があります。この食堂は元々玄関だったスペースを改装しているそうです。旅館の食堂としての他、宿泊客以外にもレストランとしても営業していたこともあったようです。
ご飯や漬物、お茶などはセルフサービスで席にもっていくようになっていました。朝食の時間は7:00、7:30、8:00、8:30スタートで選べた(2024年時点)ので僕は7時からでお願いしました。
部屋の名前のプレートが置いてある席で頂きます。ご飯に味噌汁、生卵と小鉢とシンプルながらも十分な朝食で美味しかったです。ご飯のお米は小国町で栽培されてるもののようです。旅行行った時はその地の食べ物を食べたい派なのでこれも嬉しいです。
朝食の後に あんぷりん を頂きました。こちらは朝食とは別料金で朝食以外の時間帯にも注文することができるようです。このプリンは温泉の蒸気で蒸して作られていてさらっとやわらかく卵の風味と控えめ甘さで美味しかったです。プリンの上に粒あんのソースがのっている和風のプリンといった感じでした。そのまま食堂で頂きましたがプリンは部屋にもって行って食べても良いそうです。
杖立プリンプロジェクトという杖立温泉での企画があり、色々な旅館でオリジナルのプリンを製造、販売しているようでこの あんぷりん は白水荘オリジナルのプリンです。元々杖立温泉では甘玉子という温泉の蒸気で作った茶わん蒸しに砂糖を加えたプリンのような伝統料理があり、甘玉子のようなおもてなし料理をという事で杖立プリンプロジェクトは始まったそうです。
以前はこの食堂で夕食の提供もあったようで、口コミなどを見ると美味しかったようですが現在は夕食付きプランはお弁当付きのプランのみになっていました。そのお弁当付きのプランも土曜や日曜日などの宿泊だと提供が無いようで僕が泊まった日は素泊まりか朝食付きのプランのみだったので夕食は外食しました。杖立温泉は食堂や居酒屋がいくつかあり歩いて5分くらいの場所にあった食堂こまつというお店に行きました。コンビニは宿の駐車場の近くにRショップというお店があり、24時間営業では無いですが夜まで営業しているようでした。(2024年時点)
ナビで宿まで行く場合は近くの道にセットしておくと駐車場や背戸屋の入り口近くに行けました。国道から温泉街の道に入りしばらくすると道幅も少し狭めで通行人もいるので少しゆっくりめに行くと良いかと思います。バスの停留所も同じ道沿いに見かけました。(高速バスは黒川温泉行のが博多駅近くのバスターミナルから福岡空港を経由して杖立温泉に直接これるようなので便利そうです。日田バスのHPに時刻表や予約方法は載ってました)
旅館白水荘は歴史を感じる落ち着いた雰囲気の建物の宿でとても好みでした。そして温泉がお湯の質も浴室の雰囲気などもとても素晴らしかったです。布団を敷くのもセルフサービスだったりチェックイン後は自由に過ごす感じの宿なのでのんびりと温泉に入ってすごしたい人にはとても良いと思います。チェックイン時や朝食の時などに対応いただいた宿の方々もみな親切でありがたかったです。
宿泊の予約やプランの確認、口コミを見たりは楽天トラベルやじゃらんのページでできます。宿の事に着いて詳しくはHPで見る事もできました。