沓掛温泉 叶屋旅館(長野県)

2024-06-28

2024年の6月に長野県青木村にある沓掛温泉 叶屋旅館(くつかけおんせん かのうやりょかん)という温泉旅館に宿泊して来ました。源泉かけ流しでお湯が使われているぬる湯の温泉に貸し切りで入ることができる宿でのんびりとした気分で時間を過ごすことができとても良かったです。

この日は長野での2泊3日の旅の1日目で池袋から上田まで高速バスで移動してきました。沓掛温泉と霊泉寺温泉という2か所のぬる湯の温泉に入れる温泉地に行き夏の暑くなりだす頃にぬる湯の温泉に入り調子を整える旅でした。旅行全体についてはこちらの記事にて。

夏の始まりの長野でぬる湯の温泉。2024年6月

続きを見る

沓掛温泉まで公共交通で行く場合、北陸新幹線やしなの鉄道の駅で東京方面からの高速バスも駅前に停まる上田駅から路線バスで青木バスターミナルまで行きます。平日は青木バスターミナルから青木村営バスふるさと号に乗ると沓掛温泉まで行くことができますが、土日祝日、年末年始は村営バスがお休みです。青木バスターミナルからは徒歩で50分位で着きますが叶屋旅館に村営バスがお休みの日に宿泊する場合はあらかじめお願いすると青木バスターミナルまで送迎をお願いできるようです(僕は散歩に丁度いいかなと思い土曜日に帰る時はバスターミナルまで歩きました)。青木村営バスふるさと号は普通の路線バスと違い、時間帯によってはバス停を廻る時間が決まっていなく予約が必要だったりしたりするデマンドバスとして運行しているので、青木村のHPで詳細を確認しておいた方が良いかと思います。くらしの情報というページの村営バス・デマンドバスというページに載ってます。

沓掛温泉は上田周辺の盆地から少し山の方へ向かって標高が高くなっている場所にあります(標高670m)。宿泊施設が2つと日帰り入浴施設2カ所の他は住宅がある集落になっている静かな温泉地です。平安時代からある温泉と古くからの歴史があり湯治場として多くの人が訪れていた事もあったそうです。

この写真の右側の建物は共同浴場の小倉乃湯で真ん中の建物が今回宿泊した叶屋旅館です。

小倉乃湯と叶屋旅館の間には温泉洗い場があり有料で洗濯や野菜の洗浄などで使用する事ができるようです。

叶屋旅館の駐車場は建物から少し(1~2分くらい?)歩いた所にありました。

叶屋旅館の建物は縦に長い造りになっているので入口あたりではコンパクトに見えますが客室が6部屋あります。叶屋旅館は沓掛温泉に古くから湯治宿として営業していた宿で一時休業していたのを現在のオーナーが引継ぎ、建物や設備などを使い勝手が良いようにリフォームなどを行い手を入れながら営業している宿です。

玄関から入り靴を脱いで中に入るとすぐの所にフロントがあります。フロントの近くには鍵付きのロッカーがありますがこれはオーナーさんの手作りらしいです。他にも館内の家具などの多くもオーナーさんが自ら作られてるそうで凄いです。

こちらのフロントでチェックインをお願いできます。フロントの左の通路の奥に行くと1階の客室や温泉への通路になっています。

フロントの横にはテーブルや椅子のあるフリースペースもありました。

1階と2階に客室があり、今回宿泊した部屋は2階でした。階段はいくつかありましたが今回の部屋はフロントの真上あたりだったので玄関近くの階段が一番近かったです。

廊下の角に面した部屋で扉は引き戸です。

今回宿泊した天狗山(てんぐさん)という6畳のお部屋でこの部屋は1人から宿泊できます。

部屋の入り口は引き戸で廊下から入るとすぐに畳なので廊下にスリッパは置いておきました。廊下の向いは窓になっているので部屋の扉をあけてカーテンをかけておくと光が入ってくる感じでした。

襖タイプの扉ですが内側からも外からもロックできるように鍵が設置されています。

扉を閉めると障子のようになっているので優しい光が入ってきます。

内側の壁は床の間にテレビなどが並んでいます。

液晶のテレビと空気清浄機。

アメニティや液体の蚊取り機、説明書きなどが収められているファイルがありました。

廊下は22時に消灯になる事が書かれていて消灯後は静かにという案内がありました。実際夜はとても静かでゆっくりと休むことができてとても良かったです。他の宿泊客も温泉が好きで静かにすごしたいかたが泊まられるようですので僕もそういう温泉が好みなのでとても良かったです。

テレビの台の下には備品が置いてありました。こういう困った時に助かる備品が用意されてるのはとてもありがたいです。

入口ではない側の廊下との壁はふすまだった部分にパネルが埋め込まれて塞がれています。

もう一か所の壁には収納がありました。ハンガーとハンガー掛けもあるので寒い時期に着てきた上着などをかけておけると思います。

寝具は部屋のすみに用意されてるので寝る時に自分でセットします。

布団の敷き方が写真入り案内が用意されてる心遣いがほんと素晴らしいなと思います。宿や時期によって用意されてる寝具って違うので時々これどういう組み合わせで使えば良いんだろ?という事があったりするので。

という事でセットしたお布団です。快適に就寝することができました。

エアコンも設置されています。

トイレは部屋の中にはないのですが、同じ階の廊下沿いになんとそれぞれの部屋に付き1つづつ専用のトイレが用意されています。(1部屋だけ部屋の中にトイレがある客室もあります)こいうタイプのトイレは初めてでしたが良いですね。

トイレコーナーの向かいには手を洗う小さめの洗面台。

洗面台も共用ですが廊下に新しくて使い勝手の良い洗面台が設置されれていました。その隣の冷蔵庫も共用で使用できます。

殆どの客室は玄関に近い場所にありますがさらに奥の方に建物は続いています。

廊下の窓からの景色がまたとても良かったです。

建物の奥の方にはフリースペースもありました。連泊する時などにくつろいだりワーケーションで宿泊する人が作業をしたりなどにも使用できるようです。障子の奥の窓が円形になっていて障子のなかに円が描きだされているのとかとても良いですね。この部屋がある建物は大正時代に建てられたものらしいです。

部屋に用意されている枕(そば殻まくらのようです)が合わない時のために他のタイプの枕も廊下に用意されていました。

ドライヤーや目覚まし時計、ゆたんぽなどもありました。

1階には自炊場があり自由に使用することができます。

冷蔵庫やトースター、電子レンジなどもありました。長期で連泊して湯治したい場合などでも良さそうです。

1階の洗面台とその横には漫画本コーナー。

その近くには他にも漫画本の本棚がありました。

漫画本の本棚は2階にも。他にも奥の方にある階段横にも同じく漫画本があり1週間くらい連泊しても読み切れなそうな数の漫画本がありました。漫画をお借りして自分の泊る客室にもって行って読んだり、2階のフリースペースで読んだり(フリースペースの近くにも本棚がありました)もできます。

温泉は2か所の浴室がありチェックイン~22時までと翌朝7~10時の間は1時間ごとの貸切で入浴できます。チェックインした時に貸し切りの予約をしましたが15時にチェックインした場合、3枠まで予約することができました。22時~7時の間は夏季のみ自由に入浴できる時間(洗い場のお湯は出ない)でした。冬は貸切の予約した時間のみお湯を加温してもらうので22時~7時は使用できないようです(源泉の温度が低いため冬は加温なしでの入浴は難しいようです)。

フロントに1時間ごとに区切られた貸切予約表があり自分が宿泊している部屋の名前を書いて予約ができます。夕食の予約をしていたのでその時間帯は避けて予約しました。

浴室は一番奥の建物の1階にあります。手前か沓掛の湯で奥が叶の湯。

まずは叶の湯の方へ。

自分の予約枠の時間になったら扉を閉めて貸切夕の札を出しておきます。

脱衣所はコンパクトな造りです。

脱衣所から浴室への扉。鏡に自分が写らないように撮影してるので凄い角度から撮ってます。

浴室へ。浴槽と洗い場がありコンパクトな造りです。

無色透明のお湯で体温と同じくらいのぬる湯でいつまでも入っていたい気持ち良さでした。夏とかに最高だと思いました。お湯はほのかに硫黄の香り(硫化水素の香り)もして心地よく泡付きも少しあり白色の細かい湯の花も舞っていました。

タイルが敷かれて透明なお湯が入った浴槽。2人くらいは普通に入れ定員の3名が入ると体の大きさによってギリギリな感じのサイズでした。僕は1人なので全身を延ばしてかなりゆったりと浸かることができました。

浴槽は深めで肩まで楽に浸かれます。手前側は階段状になっていました。

壁にある湯口からお湯がどんどんと投入されています。

源泉が投入された分だけ浴槽の淵からお湯が溢れていきます。源泉かけ流しです。

洗い場は1つありカランやシャワーがありシャンプー、ボディーソープも設置されています。硫黄成分が含まれている良い感じの温泉の浴室でよく見かけるようにカランの金属部分が変色していました。

浴槽の向かい側には窓があります。時間ごとの貸切なので時計があるのはありがたいですね。

源泉は泉沓掛温泉1号泉、2号泉、3号泉の混合源泉で泉質はアルカリ性単純温泉(低張性弱アルカリ性温泉)。宿のHPによると1号、2号はアルカリ性単純温泉で3号がアルカリ性単純硫黄温泉。源泉の温度は35.3度と絶妙な温度のぬる湯で貸切で入浴できる1時間枠にじっくりとお湯に浸かることができます。溶存物質総量は少な目の温泉ですがその分肌や体への負担も少ないので長湯しても安心です。夏は非加温で冬期は外の気温に合わせて36~38度位になるように加温しているそうです。pHは9.23のアルカリ性。循環も塩素剤のお湯への使用も無く源泉かけ流しで新鮮な源泉がどんどんと投入されていて新鮮な源泉を楽しむことができました。

もう一つの浴室の沓掛の湯の脱衣所です。こちらもコンパクトにまとまっています。

浴室への扉。脱衣所は叶の湯と左右逆の造りでした。

沓掛の湯は定員2名との事で叶の湯よりコンパクトです。

浴槽のサイズは2人ギリギリ入れそうなくらいです。

こちらの浴槽も深めなので肩まで楽に浸かれてゆっくりと入浴できます。こちらも手前の方が階段状になっているので浴槽に入りやすく腰掛けたりもできました。

角の部分に湯口がありお湯がどんどん投入されています。源泉はもう1つの浴室と同じものです。

源泉かけ流しでお湯がどんどん浴槽から溢れていってます。

こちらの浴室の洗い場も一般的なタイプでした。

こちらの浴室は窓の外に何か機械がありました。温泉関連の機材でしょうか。

窓の上部には時計がかかっています。

叶屋旅館は素泊まりのみの宿なので食事は付かないのですが、宿泊者はあらかじめ予約しておくと隣の 味処 千楽で夕食と朝食を頂く事ができます(平日にある定休日や連休時期はお休みのようです。営業日や予約方法などは叶屋旅館のHPにある千楽のページで確認できます。(宿泊料金のページの中に食事の案内があり千楽についてのページへのリンクがありました)

以前は叶屋旅館で宿泊の予約をする際に食事付きプランとしてこちらの千楽での食事付きで予約する事もできたようですが、今は宿泊の予約とは別に直接電話で千楽に予約するようになっていたので、叶屋旅館の宿泊予約をし後に千楽に電話して宿泊日を伝えて夕食と朝食の予約をお願いしました。

食堂兼、居酒屋といったスタイルのお店で夕食の時は焼き鳥やアルコール類なども注文できます。昼間の営業ではラーメンなども食べる事ができるようなので叶屋旅館で連泊する時などに昼食を食べるのも良さそうです。夕方、昼間共に予約が無い場合は営業しない場合があるそうなのでこちらで食べたい場合予約はしておいた方が良いと思います。

自家製タレの豚焼肉定食を頂きました。濃い目の味付けの豚肉でご飯が進む味で美味しかったです。煮物などの小鉢もそれぞれ美味しくボリュームもある定食でした。宿泊時の夕食で予約できる他のメニューは天ぷら定食、ミックスフライ定食、釜飯定食があり釜飯定食も気になるので次回食べてみたいなと思います。

夕食の時間は電話で予約した時に18時、18時半、19時、19時半から選べたので18時でお願いしました。(予約できる時間は電話でお願いするときに教えてもらえます)

千楽の女将さんや同じ時間にお店にいらしてた叶屋旅館の他の宿泊客の方とも色々とお話しできたのも楽しかったです。

朝食も予約して千楽で頂きました。真ん中のお皿はセルフサービスで好きなものを選んで食べれるお漬物で僕が自分で皿に載せたので微妙な感じの画像になってますがとても美味しかったです。朝食は7時~8時半でスタート時間を前日の夕食の時に予約できたので朝に入浴する温泉の時間に被らないように予約しました。

サラダもいただきました。メニューはその日によって違ったりするようです。

朝食では千楽の女将さん手作りの漬物の中から好きなものを自分でお皿にとって頂けます。種類がめちゃあって定番なものから珍しいものまで色々な漬物がありました。好みによって玉子や納豆も1つずつ頂けます。

千楽がお休みの日は、同じ青木村にある蕎麦処やまさんで夕食と朝食を予約することができる日もあります。基本的には昼間の営業ですが、曜日などによって叶屋旅館に宿泊の時は蕎麦処やまさんで夕食の予約をすることができ、叶屋旅館の宿泊者で宿泊者限定の2食(夕食と朝食)メニューの予約をした場合は夕食は宿とお店の間の送迎を車でしてもらえるそうです。翌朝の朝食は叶屋旅館にお弁当を届けていただけます。予約については叶屋旅館のHPに予約方法が書いてある他、じゃらんから食事の予約もセットになったプランで予約できる場合もあるようです。

今回は、宿泊する日の昼間に宿に行く前に蕎麦処やまさんに寄ってもりそばと野菜天ぷらを頂きました。こちらのお蕎麦はタチアカネという長野県で2010年に新品種として開発された蕎麦で、青木村で栽培しているものの生産量が少なく青木村でしか食べることができないようです。風味が強いお蕎麦でとても美味しかったです。野菜の天ぷらは季節などによって違う野菜が使われるようでサクッとして素材の良さが活かされている感じで美味しかったです。宿泊時の夕食で予約するともりそばと野菜天ぷらの他に前菜やサラダ、ローストビーフが付いてくるやまさん御膳というメニューになるようです。

チェックアウト日が土曜日で村営バスのお休みの日だったので、帰りは沓掛温泉から青木村バスターミナルまで歩いて行きましたが夏休み感を満喫できる風景がまた良かったです。

今回僕は沓掛温泉まで公共交通機関で行きましたが車で行く場合でも上信越自動車道の上田菅平インターから国道で30分位走り近くの県道に入ってからすぐなのでアクセスは良さそうです。

以前からネットで評判をよく見かけ行ってみたいと思っていた宿でしたがとても居心地が良い宿で貸切でゆっくりと入れるぬる湯の温泉もとても気持ちが良かったです。今回は1泊での宿泊でしたが何泊か連泊したいと思う宿でした(連泊で宿泊される方は多いようで、僕が泊まった日は僕以外のお客さんは連泊で泊まってらっしゃいました)ご主人や女将さんもとても親切な対応をしてくださりますし滞在中は自分のペースでのんびりとできるのもとても好みでした。千楽とやまさんの食事も美味しくそれぞれのお店の店主もとても親切な方だったので夕食や朝食の提供をお願いできる日の宿泊の場合とてもお勧めです。

宿泊の予約やプランの確認などは楽天トラベルじゃらんからできます。また叶屋旅館のHPにも宿の情報や食事などについても詳しく載っているので予約前に確認すると良いかと思います。(メールや電話で宿に直接予約もでき、その場合予約サイトには載っていない部屋の予約もできるようです)特に夏場は人気があったり1人泊できる部屋も少なめなので希望の日程がある場合早めの予約が良いようです。

Ⓒ2021 ROMANTIC TECHNOLOGY