2024年の10月に福島県の常磐線沿線へ2泊3日の旅に行ってきました。何度か行った事がありまた行ってみたいと思っていたいわき湯本温泉の宿に2泊(1日ごとに別の宿に宿泊)して共同浴場にも行ってきました。2泊とも夕食がない宿だったので温泉で美味しいものを食べたりいわき市内の博物館や水族館を見学したり最終日には富岡町にも行ってきました。

今回の旅は品川駅からスタートです。埼玉県に住んでいるのでスタート地点まではちょっと距離がありました。

常磐線特急ひたち に乗ります。車両はE657系。常磐線特急用に作られたJR東日本の交直流電車で直流区間と交流区間の両方がある常磐線のすべての区間を走ることができる車両です。
今回品川駅から出発にしたのはこのひたちの始発駅から乗りたいなと思っての事でした。以前ひたちなどの常磐線特急列車は上野駅始発だったのですが上野東京ライン開通後、一部の列車は上野東京ラインを経由して品川駅までの乗り入れを開始してこの記事を書いている2025年には全列車品川駅始発になっています。(終点は列車によって違いますが仙台駅かいわき駅まで。常磐線には品川駅から土浦駅、勝田駅、高萩駅まで走る ときわ という特急列車もあります)

今回乗ったのは7:43出発のひたち3号。品川駅から仙台駅までの列車でした。東海道本線(品川駅~東京駅)、東北本線(東京駅~日暮里駅と岩沼駅~仙台駅)、常磐線(日暮里駅~岩沼駅)を走行していきます。新幹線が今より少なかった時代は在来線の特急列車で長距離を走るものも多かったですが今では珍しい長距離を走る在来線特急列車です。

普通車に乗りましたが豪華なシートで足元も広く快適でした。常磐線沿線には青春18きっぷでの旅で何度か行った事がありましたが毎回普通列車だったのでこんな豪華な席だと!?とびびります。

品川駅から東京駅までは東海道新幹線の線路の横を走っていくので新幹線も見れました。

ひたちは全席指定席で自由席が無く、席の上についているランプで席が予約されているか空席かを確認できるようになっています。

ランプの事は座席のテーブル裏面に書かれていますが慣れていないとちょっとわかりにくい感じもしました。赤は空いている、黄色は途中の駅から指定席が予約されているのでまもなく予約のお客さんが乗ってくる、緑は今、走行中の区間で席を予約してる人がいるという感じです。僕は指定席の予約をして乗車しましたが(なのでランプは最初から緑)予定が分からないなどで席の予約をしないで乗る場合は座席未指定券という特急券を購入して座席の上についているランプが赤の席には座ることができます(赤もしくは黄のランプが付いている席がない場合はデッキ部で立って乗車)座席未指定券だからといって安いわけでも無いようなので空席があれば席の予約をしておいた方が良いかと思います。
僕はえきねっとで割引のチケットレス指定席券を購入できたので特急料金が35%オフでした。割引で購入できるのは数量限定なので予定が早く分かるようでしたら乗車1ヶ月前の10時にえきねっとで買うのがお得です。

品川駅から上野東京ラインでしばらくは山手線と同じルート(駅は少ないですが)で走り日暮里からは千葉方面に向かっていきます。僕は都内にある親の実家が常磐線沿いだったり通っていた大学が常磐線沿いの千葉県にあったりだったので埼玉県に住んでる割には常磐線は馴染みがある路線です。列車のそのまま千葉、茨城、福島と進んでいきます。今まで常磐線は何度も乗ってますが普通列車だしか乗ったこと無かったわけですが特急列車だと乗り換えなくて楽ですね(笑)
平日の朝に東京から出発する特急列車ってそんなに乗る人いるものなのかなと思っていましたが実際乗ってみると品川駅では2割くらいの席しか座ってませんでしたが、東京駅、上野駅でお客さんが乗ってきて8割くらいの席が埋まり土浦駅で満席になっていました。仕事でのお客さんが多い印象でした。その後勝田駅で3割くらいのお客さんが降り、水戸駅でも降りるお客さんがいて徐々にお客さんが少なくなっていくようでした。

湯本駅に到着です。駅名標に湯けむりに出逢えると書いてありますがホームに足湯があるのでさっそく出逢えます。

この日は以前1度入浴したことがあった湯本駅近くにある共同浴場の みゆきの湯 にも入りに行こうと思っていたので営業日かなと確認しに行ったのですが。。。

臨時休業でした。どうやら少し前に基準値以上のレジオネラ菌が浴槽で検出されて改善されるまで臨時休業となっていたようです。その後翌月の11月に営業は再開したようですが、翌年の3月に廃業となってしまいました(元々、駅前再開発のエリアに含まれていて廃業することは決まっていた)。駅前で源泉かけ流しの温泉に入れる施設だったので残念です。

駅から少し離れたところにある道の跨線橋を渡って線路の反対側へ向かいます。

橋から少し見えていたタンクなどがある大きな施設はいわき湯本温泉の源泉揚湯場です。いわき湯本温泉の源泉は元々石炭の炭坑だった地下の坑道の中でボーリングしているそうでそこからポンプでくみ上げているのがこの施設のようです。常磐湯本温泉という会社の施設で湧出量は毎分5000リットルもあるらしく、そのうちスパリゾートハワイアンズといわき湯本の温泉施設に半分くらいづつ配湯しているようです。

いわき市石炭・化石館 ほるる に来ました。福島県のいわき市は福島県から茨城県にかけた広いエリアにあった常磐炭田という炭田の中にあり産炭地として繁栄した歴史がありその炭鉱の歴史などの展示と共にいわき市で多くの化石が発掘される事もあるため国内外の化石なども展示されている博物館です。
こちらには湯本温泉に2022年の夏に来た際に気になっていたのですが2022年3月の福島県沖地震による被害で2022年の5月から2024年の4月ま臨時休館してたので再開したら行ってみたいと思っていました。2024年の4月に再開したというのを見て今回見学しにきました。

駐車場には蒸気機関車のD51が展示されていました。石炭を燃やして水から蒸気を作り動かしている蒸気機関車(蒸気機関車のなかには石炭以外の燃料を使用するものもありますがほとんどは石炭)というのと、常磐線で貨物列車を牽引し石炭などを輸送していた車両という事で展示されているようです。

入口の近くにはフタバスズキリュウがいる噴水がありました。フタバスズキリュウは約8500万年前に日本近海に生息していた首長竜で1968年にいわき市の双葉層群玉山層入間沢部層で当時高校の鈴木さんが化石を発見したそうです。

顔はめパネルなどの奥に入り口があります。

入り口から中に入ったエントランスホールです。チケットを購入して受付をしてもらいました。

通路を進んでいったところにある展示です。左の小さなサイズの方は珪化木という樹木の化石、右の大きな方のは常磐炭田地域にあった長倉炭坑で採掘された大きな石炭で約一トンという巨大なものです。珪化木も石炭も両方とも太古の樹木のだったものです。

奥に進むと2階まで吹き抜けの化石展示室という大きな部屋があって沢山の化石が展示されていました。

手前に展示されているのはプリオサウルスという海の中にいた爬虫類の化石です。

こちらはトリケラトプスの複製化石。特徴的な形状の頭がかっこいいですね。こんな攻撃力高そうな見た目ですが草食だったようです。

化石展示室から上の階に上るといわきに関連する標本やパネルなどが展示されている学習標本展示室という部屋があります。

2階から外に出れるところがあり野外には 昭和の杜六抗園 という常磐炭礦湯本坑第六坑人車坑の坑口を保存しているエリアがあります。こちらは炭坑が現役時代に昭和天皇が見学なさった場所のようです。

2階の奥の方に模擬炭坑へ降りるエレベーターがあります。エレベーターが動きだすと音などで地下の炭鉱へと降りていくような演出があり下に降りていきます。実際には2階から1階に降りるだけなのですが地下600メートルまで下りて行っているような雰囲気を楽しめます。

エレベーターから降りると模擬坑道に到着しました。こちらの模擬坑道には時代ごとの石炭の採掘現場を再現された展示があり奥に進むごとに近代に近づいていきます。

炭鉱の初期には人力で石炭を掘り人力で運び出していたようです。

模擬坑道を進んで行くと時代が進みレールが敷かれトロッコで石炭を運び出せるようになっています。掘ったり積んだりは人力のようです。

さらに何段階か時代が進んでいくと重機を使い石炭を掘り運んでいました。

現代に近づいてなんか大型なマシーンが活躍しています。

厳重な装備で奥へ進む人たち(人形)その横を進んでいきます。

炭坑に関わる設備を再現された展示もありました。

炭坑があった時代のいわき湯本の温泉についてと炭坑での水風呂について。

模擬坑道を出ると生活館というエリアがあり1935年くらいに炭鉱で働いてたいた人たちの住居や戦後の炭鉱関連の人々の暮らしを再現した展示などがありました。

いわき湯本温泉の歴史についても紹介されています。
いわき市石炭・化石館ほるるへは常磐線の湯本駅から徒歩で10分くらいで着きました。駐車場もあるので車でも行きやすいと思います。
今回、2年前から行ってみたいと思っていたいわき市石炭・化石館 ほるる を見学することができました。たくさんの化石を見ることができたり模擬坑道などの展示も見ごたえありました。今回の旅で宿泊するいわき湯本温泉も炭坑との関りが深い温泉地なので温泉関連の展示があったのも良かったです。
ほるる を見学した後に湯本温泉の温泉街に移動して昼食を頂きます。いわき湯本温泉は駅から徒歩範囲に温泉宿や日帰り温泉施設が多い他、昼や夜に営業している飲食店も多い温泉地なので便利です。

魚料理 海幸 というお店に来ました。湯本駅近くにあるお店でお刺身や定食などのメニューがあり人気があるお店です。定食は魚料理がほとんどでお刺身は盛り合わせや単品もありました。平日の昼間だったのもあり定食のお客さんが多い印象でしたがお酒も種類が多く夜の時間帯などはお魚とお酒を一緒に楽しめるようです。お店の名前より大きくささき鮮魚店と店頭にありますが元々お魚屋さんがはじめた飲食店だったみたいです。

刺身定食 を頂きました。お刺身と小鉢、ごはんと味噌汁がついてくる定食で美味しいお刺身が盛りだくさんで大満足でした。こちらの刺身定食はランチの時間帯のみのメニューですが他に昼、夜共にメニューにある海幸刺身定食というのだとさらにボリュームがあるようです。
魚料理 海幸は湯本駅から徒歩で2分くらいの場所にありました。
昼食を食べた後、宿のチェックインまでまだ時間があったので温泉街を散歩したりしながら近く神社へ。

温泉神社へお詣りに行きました。温泉宿が近くに多くある交差点近くから歩いていくと鳥居がありその先の階段を上っていきます。鳥居の近くには温泉のお湯が流れている石碑もありました。

温泉神社という名前の神社は全国色々な温泉地にありますがこちらの温泉神社は673年に創建され 927年にまとめられた2861社の名前が記載されいる延喜式神名帳に記載されている10の温泉関連の神社のうちの1つ(他には鳴子温泉や那須温泉などにある温泉神社など)という歴史ある神社なんだそうです。1768年に現在の地に遷座されていて本殿は1695年に造られたそうです。
温泉神社はJRの湯本駅から徒歩10分くらいの場所にあり湯本温泉の多くの温泉宿や日帰り温泉施設さはこの湯、鶴のあし湯広場などからもすぐ近くです。
温泉神社で参拝後この日に宿泊した宿へ向かいました。

この日に宿泊した いわき湯本温泉 心やわらぐ宿 岩惣 です。温泉神社から徒歩ですぐの場所で車どおりが多い道から細い道に少し入った落ち着いた雰囲気の場所にある大きな温泉宿です。
いわき湯本温泉 心やわらぐ宿 岩惣について詳しくはこちらの記事にて。 続きを見る
いわき湯本温泉 心やわらぐ宿 岩惣(福島県)

こちらの宿は和室の部屋がメインですがシングルルームもあり和室より手ごろな宿泊料で泊まることができました。

浴室は建物の一番上の階にあり窓からは湯本の町並みなどがきれいに見えました。温泉は湯本温泉源泉をかけ流しで使われていてとても気持ちがいいお湯でした。

夜にいわき湯本温泉 上の湯という共同浴場にも入浴しに行きました。住宅街の中にある共同浴場で地元のお客さんがたくさんで賑わっていました。こちらのお湯は温泉の香りも強く新鮮な感じでとても良い湯でした。いわき湯本温泉は同じ源泉を各温泉施設に配湯してるようなのに何故こんなに違うんだろと不思議に思いましたが、後でネットで調べていたら源泉の送湯管経路図という資料をみかけ、それによると送湯管の源泉に近い位置にこの上の湯があるようでした。かなり良いお湯だったのですが2028年に施設の廃止が決まっているらしいので早い時期にまた入浴しに行きたいと思います。
いわき湯本温泉 上の湯について詳しくはこちらの記事にて。 続きを見る
いわき湯本温泉 上の湯(福島県)

宿泊した岩惣は夕食付きのプランがない(以前は夕食も提供していたようですが今は無くなってしまっています)ので夕食は外食しました。寿苑(ことぶきえん)といういわゆる町中華のお店です。

チャーハンと餃子をいただきました。チャーハンはパラっとしつつ程よくしっとりしてる感じで味付けも良いと思いました。玉子の味もしっかり感じるのも好みでした。スープは醤油の感じが強めに感じました。餃子はニンニクが効いている濃いめの味で皮がモチっとして美味しかったです。
寿苑がある場所は駅から5分くらいで駅から続く商店街のようなエリアを過ぎてすぐの場所ですがこの先に温泉宿などが多くあるエリアがあるので温泉宿に泊り食べに行くにも便利な場所だと思います。
夕食を食べた後宿に戻り温泉に入ったりのんびり過ごしてから就寝。次のページの翌日に続きます。