2024年の12月に長野県山ノ内町にある湯田中温泉 大湯に入浴して来ました。源泉かけ流しの温泉に入ることができる共同浴場で少し熱めの気持ちが良いお湯と浴室の雰囲気などもとても好みでした。地元の方用の温泉施設ですが湯田中温泉の宿に宿泊するとこちらの大湯にも入浴することができました(2024年時点。湯田中温泉のすべての宿の宿泊者が入浴できるかはわからないですが僕が宿泊した まるか旅館 という宿の宿泊者は入浴できました)。
この日は湯田中温泉の近くの渋温泉で開催された音泉温楽という温泉×音楽フェスに行き2日間開催のフェスだったので夜は湯田中温泉の宿に宿泊しました。フェスに行った以外には渋温泉や松代温泉の温泉に入りに行ったりもしました。旅行全体についてはこちらの記事にて。 続きを見る
週末パスで長野へ。渋温泉で音泉温楽。2024年12月

湯田中温泉は長野電鉄の湯田中駅周辺から広がる湯田中渋温泉郷の中の温泉地の一つで湯田中駅近くから徒歩10分くらいのエリアがこの湯田中温泉で多くの温泉宿があり大規模な宿もあります。湯田中温泉は7世紀に智由という僧によって発見されたといわれていて当時自然に温泉が湧きだしていた場所がこの大湯がある場所(現在の源泉は他の場所から引いてきているお湯です)なんだそうです。

よろづやという老舗旅館の敷地の中にあります(大湯は道路沿いにあるので直接道から入れます)

右から読む看板も歴史ある感じで良いですね。こちらの大湯は日本温泉協会の雑誌に掲載された共同浴場番付で東の横綱に番付られた共同浴場なんだそうです。

入り口は建物の横にあります。右側が男湯の入り口でした。

入り口には鍵がかかっているので宿泊した宿でお借りした鍵を使い解錠して中に入ります(宿によっては鍵を借りるのでなく宿の方に鍵を開けていただくようです)。

カード式のカギでドアノブの上にあるカードリーダー部分にカードを読ませるようになっていました。歴史ある共同浴場ですがハイテクですね。

入り口近くで靴を脱いで暖簾をくぐるとすぐのところが脱衣所です(この画像は脱衣所側からの写真です)。

脱衣所は浴室と一体になっていて壁がない造りです。

ロッカーは無く棚だけがあります。地元の方と宿の宿泊した人だけが利用できる共同浴場なのでこれで十分ですね。

脱衣所には小さめのベンチや洗面台もありました。

脱衣所から段差を降りた場所が浴室になっています。

浴室の床は木が敷かれていて美しいです。奥には横長の大きな浴槽があり10人くらいは入れそうです。ほのかに硫黄の香り(硫化水素の香り)がするお湯で源泉は少し塩の味がしました。お湯の色は無色澄明です。

浴槽は仕切りで二つに分かれていて湯口に近い側が高温の浴槽になっています。

もう片方が低温でこちらでも入浴する時ちょっと熱く感じてお湯に浸かると慣れて気持ちいいという印象でした。熱すぎるとき低温側は加水もできます。

高温側の壁際にある湯口から源泉が投入されています。

投入されている源泉の一部は木の樋を伝わりそのまま浴槽の外に流されていました。全部を浴槽に入れると高温になりすぎるので樋の角度をで投入量を調整しているようです。樋の横あたりに蛇口がありましたがこちらの高温側の浴槽は水で埋めないように注意書きがあったので樋のお湯と蛇口の水で体を洗うのに使ったりするんですかね?

低温側の浴槽近くにはホース付きの水道蛇口があったので加水したい場合はこれを使用するようです。

源泉が投入された分の浴槽のお湯が浴槽近くの床にから上に出ているパイプからお湯が排出されていました。浴槽の中にある穴からパイプにお湯が流れていくいわゆるサイフォン式というタイプだと思われます。パイプから出てきたお湯は床の木の間へ流れていっていました。

浴槽の淵の方からもお湯が流れ出て行っていました。

天井は高く湯気抜きから入ってくる光も綺麗でした。
洗い場は無いので浴槽のお湯を桶で汲んで使うか浴槽に投入されないでそのまま外に流されていた源泉を使う感じだと思います。シャンプーや石鹸類などの設置は無いので持参が必要ですが僕が宿泊した宿では大湯に入浴しに行くお客さん用にお風呂セットが玄関に用意されていました。

源泉名は共益会12号ボーリングで泉質はナトリウム―塩化物温泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)で源泉温度は95.7度と高温です(使用位置では42度と書かれていましたが僕が入浴した時はもう少し熱いかなと思いました)ph8.3の弱アルカリ性の温泉です。掘削自噴で1分間に100Lの湧出量がありこの大湯以外にも湯田中温泉の他の温泉施設にも配湯されいる源泉のようです(この日に宿泊した宿も同じ源泉が使用されていました)。
湯口からのお湯の加温、加水は無しで使用されていて源泉かけ流しで循環は無し、お湯への塩素等の消毒剤の投入もなく温泉そのものを楽しむことができる湯使いでした。

明治19年に作られた温泉入浴法も掲示されていました。これは明治時代の初代陸軍軍医総監だった松本順(松本良順)というお医者さんによるものです。松本順さんは江戸時代末期から明治時代にかけて日本の医学の発展に貢献した方で健康のために日本に牛乳や海水浴を広めたりもしていたそうです。
湯田中 大湯は湯田中駅から徒歩で10分くらいの場所にあります。入浴できるのは湯田中温泉の宿に宿泊した際になるため宿からも歩いていける距離だと思います。
湯田中温泉 大湯は源泉かけ流しのとても気持ちがいい温泉に入ることができました。塩化物泉の温泉で今回のように冬に入ると体がよく温まる感じがしました。建物や浴槽などの雰囲気もとても良くて時間の流れがゆっくりしているような感覚になる温泉施設でした。清掃などもしっかりとされている印象で地元の方が大切にしている共同浴場だと思いますのでマナー良く入浴できるように心がけていくと良いと思います(もちろんどこの温泉でもマナーは守らないとですけど)
今回は大湯のすぐ近くの まるか旅館という旅館に宿泊して鍵をお借りして入浴しに行きました。まるか旅館についてはこちらの記事に書いています。 続きを見る
湯田中温泉 まるか旅館(長野県)