2024年の9月に長崎税関 資料展示室を見学して来ました。長崎税関の資料展示室は長崎税関本関の庁舎内にあり長崎の税関の歴史についての展示や資料などがあります。日本の税関は約150年前、日本が開国した頃に発足しましたが長崎はその前の鎖国時代から海外との貿易の窓口であったため長崎会所という長崎税関の前身にあたる機関が1698年から設けられていて300年以上の歴史があり今回長崎税関に行くのを楽しみにしていました。
麻薬探知犬をモデルとした税関イメージキャラクターであるカスタム君が好きで全国の税関にある資料展示室を巡っていまして、まだ行ったことが無かった長崎税関に行こうと思い長崎税関資料展示室は平日のみ見学できるので平日に見学できるようにして熊本、長崎への3泊4日の旅を計画しました。羽田から熊本まで飛行機で移動後にカーシェアの車を借りて熊本の県南エリアの温泉巡りをしたり好きなラーメン屋さんにラーメンを食べに行ったりした後にフェリーで熊本から長崎に移動。長崎に行くのは初めてだったので定番の観光もしたいと思い稲佐山の夜景を見たり軍艦島やペンギン博物館などにも行ってきました。長崎税関資料展示室に行った後は近くにある出島和蘭商館跡も見学して来ました。旅行全体についてはこちらの記事にて。 続きを見る
熊本と長崎で温泉、食べ歩き、税関、ペンギン、軍艦島など。2024年9月

長崎駅近くのホテルに宿泊していたので朝起きてから長崎駅前から路面電車に乗って出島という電停で降りました。出島といえば鎖国がされていた江戸時代の長崎で海外との貿易の窓口となっていた場所というような感じで歴史の授業で学んだかすかな記憶がありますが、当時の出島の周辺は埋め立てられていてその付近が出島町という住所になっています。

という事で長崎市出島町にある長崎税関にやってきました。長崎税関は長崎県、福岡県、佐賀県それぞれの一部と熊本県、鹿児島県が管轄区域です。(長崎県、福岡県、佐賀県は門司税関が管轄の区域もあります)

長崎税関本関の庁舎は1969年に建てられたものです。

長崎税関の石碑。そして長崎税関のあゆみが描かれたものも設置されています。

掲示板の前にも長 崎 税 関。

掲示板の側面には長崎税関資料展示室の案内も。その上にはちょっと古い時代のカスタム君のイラスト入りの丸い看板も設置されています。このまま缶バッジにしてほしいかわいらしさ!!

大きな懸垂幕で税関資料展示室の案内がされています。そして無料という事をアピール!むしろ埼玉から飛行機に乗ってきたくらいなので有料だったとしても入場しますよ。

入口から中に入ります。税関の資料展示室は税関の中にある場合、名前等の記帳が必要な場合もありますが長崎税関は不要でした(2024年秋時点)

中に入ると紙本著色南蛮人来朝図之屏風(のレプリカ)が展示されています。この南蛮人来朝図之屏風の元の物は屏風になっていて南蛮屏風と呼ばれているものの一つのようです。南蛮屏風は1590年代頃から1680年代頃に作られたもので60点ほど現存しているそうです。ここに展示されている物の本物は長崎歴史文化博物館に保管されていて国認定旧重要美術品になっているそうです。
ネット情報だとこの近くに大きなカスタム君(動かない)がいる事もあるみたいですが残念ながらこの日はいませんでした。

南蛮人来朝図之屏風の説明書き。南蛮屏風にはスペイン、ポルトガルとの交易の様子などが描かれています。

その側面には長崎税関の顔はめパネルがありました。顔をはめるだけで麻薬探知犬を連れたハンドラーさんになったような写真が撮れます。顔をはめないとプライバシーに配慮して顔の部分を修正処理したような写真が撮れました。

麻薬探知犬をモデルとした税関イメージキャラクター カスタム君の顔はめパネルもあります。6頭のカスタム君を携えた中央のカスタム君に取り込まれてしまったような写真を撮ることができます。なんでそこに穴を開けたんでしょうか。

という事でカスタム君と記念撮影。

カスタム君の顔はめパネル横には明治から大正時代に使用されていた事務机が設置されていてその上には長崎湾の古地図が敷いてありました。出島の所に矢印がついてます。

長崎税関の150年についての資料などが横に長く展示されています。

その奥に税関資料展示室の入り口があります。

入口近くには明治時代中期の税関職員さんの制服を着たマネキンがポーズをとっていて資料展示室を訪れた人々をお出迎えしてくれます。

長崎税関資料展示室は1部屋の四方に展示が展開されています。中央部にはベンチも設置されていました。

床に敷かれているのは寛永長崎港図を印刷されている布です。寛永長崎港図は寛永時代の長崎が描かれていていますがこの時期に作られた出島の姿も確認できます。

こちらは長崎税関の史料コーナー。壁には大きな年表が展示されていて税関になる前の時代から掲載されています。

年表の手前にあるガラスケースの中には資料などが展示されています。長崎税関治革史 という長崎税関の歴史が記載されている資料や 明治41年以降秘書事項 という長崎税関長官房秘書と三池税関支署とのやり取りが書かれていつものなど長崎税関の歴史にまつわる資料が展示されていました。

こちらは明治から昭和初期に使われていた税関庁舎の瓦や輸出貨物に使われていた押印など。

上の段は一日税関コーナーです。

杉良太郎さんに佐田玲子さん。佐田さんはさだまさしさんの妹さんなんですね。杉良太郎さんは長崎以外の税関の一日名誉税関長にもなってらしたようです。

西村知美さんとマラソン選手の藤永 佳子さんも一日税関長を務めてらっしゃったようです。西村知美さんは税関150周年の年にブログでこの時の事を投稿なさってました。

展示ケースの下の段には税関150周年記念プルーフ貨幣セットと税関百周年記念メダルが展示されていました。

その隣に展示されていたのは税関発足150周年切手です。

壁の角を曲がったこちらも引き続き史料コーナです。日本の税関の中でも税関になる前からの歴史がある長崎税関だけあって充実してますね。

初代長崎税関長の横山又之丞貞秀さんも紹介されてました。横山貞秀さんは長崎において長年オランダ通詞(江戸幕府の世襲役人で公式の通訳者)を勤めていた横山家の11代目で幕末までオランダ通詞として活躍。明治維新後の新政府にもその語学の才能を認められて長崎県大属、長崎県小参事、長崎県参事などを歴任後に初代長崎税関長を務めたそうです。

資料室入って右側の壁沿いには業務コーナー、監視コーナーが並びます。

業務コーナー。壁には輸出入の通関業務の流れなどが展示されていました。

監視コーナーの壁の展示では監視船や麻薬探知犬が紹介されていました。

こちらはワシントン条約規制対象種の動物たち。税関は、野生動物のミカタです。

タイマイ。ウミガメさんですね。

ワニとワニハンドバッグ。

密輸入された象牙。アフリカゾウの生牙(ハードアイボリー)。

象牙製品たち。ワシントン条約規制対象種の動物たちは生死問わず輸入が規制されています。Dead or Alive。

入り口側の横のスペースには密輸の手口の紹介コーナーがありました。

ファッションチェック的なコーナー。

なんと密輸の手口9つが隠されていました!そして密輸の手口をチェックするように気さくにすすめてくれるファッションアドバイザー的カスタム君。

密輸するために金が様々な形に加工・変形・メッキされています!という解説。

STOP金密輸 金 密輸させない!密輸品 買い取らない!という事で金密輸の事例が紹介されています。左上のものは函館税関資料展示室に同じような物(のレプリカ)が展示されていました。

こちらは不正薬物や武器のコーナー。税関コレクションが並びます。白い粉!黒い武器!

密輸の手口が紹介されています。これはぬいぐるみの腹の中に覚せい剤を隠匿していたもの。お好みに合わせて黒いぬいぐるみと白いぬいぐるみがあります。その後ろにはスーツケースを二重底にして覚醒剤を隠蔽したもの。
照明とガラスでなんだか幻想的な写真になってしまいました。トリップ感。

商業貨物(布袋像台座)内に、覚せい剤を隠匿していたもの。七福神の布袋さんの台座の中も見逃しません!

木製の像の置物内に、覚せい剤を隠匿していたもの。税関コレクションあるあるの怪しい置物のなかに不正薬物隠しがちです。

辞書の中に、けん住を隠匿していたもの。これも定番ですね。税関コレクションあるある本をくり抜いて拳銃かくしがちです。通しません黒い武器!

こちらの税関コレクションは不正薬物特集。

2015年から関税法上の「輸入してはならない貨物」に追加されている指定薬品。いわゆる危険ドラッグです。カラフルなパッケージですが危険です。税関では、「危険ドラッグ」の密輸入についての情報提供をお願いしております。

こちらは左からケタミン、コカイン、MDMA、アヘン、モルヒネ。

左はコカインを使用する為の道具。真ん中はヘロインを使用する為に使う為の道具。

右はマリファナを吸う為に使う道具です。

こちらは知的財産侵害物品コレクション。この本物・偽物コーナーではホンモノとニセモノが並んでいます。

前後に同じような財布が並んでいますがどちらかがホンモノでもう一つはニセモノです。

これは答え合わせです。
税関資料展示室がある長崎税関本関は長崎駅前から路面電車や路線バスなどで近くまで移動するか長崎駅から徒歩でも15分くらいの距離です。近くに出島和蘭商館跡などもあります。
長崎税関本関の近くには税関関連の施設が他にもあるので一緒に見学して来ました。

旧長崎税関下り松派出所です。1898年(明治31年)に建てられ長崎税関の派出所として使用されていた建物です。

正面を海に向けて建てられています。建物は煉瓦造、平屋建で擬洋風建築という幕末から明治時代初期に日本の伝統的な建築方法と外観に洋風のデザインを取り入れたもののようです。税関の施設として使用後に長崎市歴史民俗資料館として使用され、その後半解体修理が実施され2002年からは長崎市べっ甲工芸館として使用されています。

旧長崎税関下り松派出所は国の重要文化財に指定されていて説明書きも設置されていました。
旧長崎税関下り松派出所は長崎税関本関から徒歩で10分くらいの所にありました。大浦天主堂やグラバー園といった有名な観光名所からも近いので一緒に見学するのも良いかと思います。

旧長崎税関下り松派出所の道を挟んだ向かいは港になっていて船が泊まっています。

こちらは長崎税関監視部門室庁舎でした。

長崎税関の中型監視艇 さいかい です。さいかいは長崎県を中心にパトロールに使用されている船で2001年に鈴木造船で建造されました。明治時代の派出所があるすぐ近くに今でも税関の施設があるのはなんか良いですね。このすぐ近くに長崎港松が枝国際ターミナルという大型の豪華クルーズ船が寄港する埠頭もあるようです。
長崎税関史料展示室では税関誕生前の鎖国時代から続く貿易の歴史も感じことができる展示をはじめ不正薬物やけん銃(白い粉、黒い武器)などの密輸の手口やコピー商品なども見る事ができとても良かったです。歴史の教科書などにも出てきた出島からの歴史がある税関というだけでもうテンション上がりますね(当時の出島とはちょっと離れた場所ですが明治以降に出島周辺の海を埋め立てた出島町という住所にあるのもめちゃ良いです)
税関の長崎税関のページには長崎税関の職員さんによって作詞・作曲された”カスタム君のうた”というオリジナルソングがアップされていたりもするので要チェックです。
麻薬探知犬をモデルとした税関イメージキャラクター カスタム君の推し活として全国の税関(函館、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司、長崎、沖縄地区)の資料展示室(税関によって広報展示室など名称はまちまち)の聖地巡礼的な見学しに行きましたが、この長崎で全部の税関の資料展示室に行くことができました。(沖縄地区税関の広報展示室がこの後に移転したのでまた沖縄には行こうと思います)